【短編小説】ギャングと僕_前編

只今の時刻は13:30です。

昨日から名古屋に遊びにきていましてこれから高速バスに乗って東京に戻るところです。

到着予定時刻は18:40。

長いです。暇です。何か暇つぶしをしたいです。

というわけで、僕の学生時代の恋愛話を一つ、小説風に書こうかなと(*´-`)

名前や地域は伏せますがノンフィクションです。

 

甘酸っぱい?ほろ苦い?

いいえ、煮え湯をガブ飲みしたような話です。

 

◇◆

 

「今まで付き合ってきた中でさ、私って何番目?」

 

ギャングからの突然の電話に、最初はその意図を読み取ることができなかった。時計に目を向けると22時を少し過ぎた辺りを指している。なるほどな、おおかた見ていた恋愛ドラマにでも触発されたんだろう、この質問に意図なんてない。欲しいのは今を安心して過ごせるだけの一言だ。

 

「もちろん1番だよ」

 

「そっかあ、ふふ」

 

電話越しでも、声だけでギャングの表情が容易に想像できる。やはりこの返答で間違っていなかったのだ。

 

「1番だから安心して。それよりももうすぐ台風くるんだからその前に寝よ?」

 

会話もそこそこに、俺はできるだけ波風を立てることなく電話を切るシーンを作り出す。この機会を逃して別の話題が始まれば、次に電話を切るチャンスは恐らく1時間後。ちょうど台風が直撃する頃だ。

台風が直撃する頃にギャングが起きていると、眠れない、怖いと俺に訴え、自分で自分の恐怖を煽ろうとするはず。そうなってしまっては眠りにつけるのは2時間後、いやもしかすると朝までか?それだけは絶対に避けたい。

 

えーもう寝るの?と、まだ何か話そうとするギャングの会話を遮断し、半ば強引ではあるが寝かしつける。

これでいい、とりあえず一件落着だ。電話を切り安心して一息着いたところでもう一度時計に目を向けると22時30分になるところだった。

決して彼女のことが嫌いなわけではない。むしろ俺たちは付き合ってるんだから当然好きだ。でも台風の時だけは、いや、台風に限らずあらゆるイベント事には細心の注意を払い、つねに最適解を選ばなければいけない。

もしも選択を間違えればどんな恐ろしい事が起こるか知っている。俺の意見なんて彼女の世界の中じゃ気に留める必要のないもの。道端の雑草みたいなものだ。存在を認知しているけど、だからといって何か配慮があるわけじゃない。彼女の世界は彼女が主人公なんだから当然だろう。きっと彼女はまだ知らないんだ、自分の物語の中に俺の人生も含まれてることを。

彼女は俺の意見なんて必要としない。俺にNOというカードは配られていない。俺にとって彼女は、ギャングそのものだ。

1 件のコメント

  1. ピンバック: 朝起きたら溺れかけてました – おじさん!ちょっと見て!!

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